信号のある交差点の直進自動車と右折バイクの事故の過失割合(7例)

基本的に直進車は右折車に優先して通行することができますから、直進車と右折車との事故では直進車の過失割合の方が小さくなる傾向にあります。ただし、右折車がバイクである場合は、保護の必要性が高いため、ある程度過失割合が減算されています。これに加えて信号の色と交差点の進入タイミングによって過失割合が決定します。

1.双方とも青信号で交差点に進入

バイク:自動車=70:30

青信号で右折するバイクが直進する自動車に衝突した場合の過失割合です。右折・左折をしようとする車は、交差点では徐行する必要があります。特に右折車は対向車線の直進車を妨害しないように走行する必要があります。そのため、過失割合は右折しようとしていたバイクの方が大きくなっています。

なお、バイクが右折の際に大回りするなど直進車に対する妨害行為が大きい場合は、さらに過失割合が10%加算されます。

2.自動車が黄信号、バイクが青信号で交差点に進入

バイク:自動車=25:75

右折バイクが交差点に進入した時点では青信号だったのに、交差点を曲がりきるときは黄信号で、そのときに黄信号で交差点に進入してきた自動車と衝突した場合の過失割合です。

バイクは青信号で交差点に進入しているため、信号については何ら違反はありません。これに対して自動車は黄信号で交差点に進入しています。黄信号では自動車は原則として停止しなければならないとされています。そのため、この場合は自動車の過失割合が大きくなります。

ただし、黄信号でも安全に停止できない場合は進行できますから、自動車の侵入のタイミングによっては最大でケース1と同程度まで過失割合が軽減されること考えられます。

3.双方とも黄信号で交差点に進入

バイク:自動車=50:50

交差点の侵入タイミングが双方とも黄信号であった場合は、過失割合は50%ずつとなります。ただし、これは全くのイーブンというわけではなく、バイクの要保護性を加味した結果による過失割合であって、右折するバイク側に直進車より大きな注意義務が課せられている点には留意してください。

4.自動車が赤信号、バイクが青信号で交差点に進入

バイク:自動車=10:90

自動車が赤信号で交差点に進入したケースです。この場合は黄信号の場合(ケース2)と比べて、さらに自動車に大きな責任が発生しますから、過失割合が15%増加して90%となります。

5.自動車が赤信号、バイクが黄信号で交差点に進入

バイク:自動車=20:80

ケース3とケース4の複合的なケースです。直進自動車は完全に信号無視をしている点ではケース4と同じ責任を負いますが、右折するバイクの方も黄信号で交差点に進入している点では自動車程ではないにしても、ある程度の責任を負うことになります。そのため、過失割合はケース3とケース4の中間的な位置付けとなっています。

過失割合は、自分がどの程度の違反行為をしたのかという点だけではなく、相手の違反行為との比較が重要になってくることを意味しています。

6.双方とも赤信号で交差点に進入

バイク:自動車=40:60

ケース5でバイクも赤信号で交差点に進入した場合の過失割合です。こちらのケースではバイクもさらに大きな責任を負うことになりますから、バイクの過失割合が20%増加しています。

7.自動車が赤信号、バイクが青矢印で交差点に進入

バイク:自動車=0:100

複数の車線がある道路では、右折専用の青矢印信号がよく見られます。これは右折限定で青信号と同じ意味があります。そのため、バイクには全く責任はなく、赤信号を無視して直進してきた自動車が100%の責任を負うことになります。

なお、逆にバイクが赤信号無視直進、自動車が青矢印右折の場合は、直進バイクが100%の責任を負います。

⇒ 信号のある交差点の直進バイクと右折自動車の事故の過失割合

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