交通事故が発生すれば必ず警察に通報する必要があります。これは道路交通法第72条に定められた義務です。しかし、事故の被害が些細な程度のものであれば、警察を呼ぶのが面倒に思えてくる場合もあります。事故の相手方から警察は呼ばないでほしいと頼まれる場合も少なくありません。
頼まれるとなかなか断れないという人も少なくありません。しかし、通報は法律上の義務ではありますし、万が一、後から傷害が発生してしまった場合に自動車保険金の受け取りが困難となるおそれがあります。交通事故では後になって傷害がわかることが少なくありません。必ず警察に通報することで事故証明書の発行を受けておく必要があります。
どうやって断ればいいのか
まず、なぜ警察を呼びたがらないのか、その理由を考えてみます。大抵の場合は次のいずれかの理由でしょう。
- 運転免許の点数が増えるのだ嫌だ。
- 急いでいて警察の取り調べや実況見分に付き合っている時間がない。
- 事故のことを会社に知られたくない。
このうち１の運転免許の点数を気にしている場合は、簡単に話が済む可能性があります。なぜなら、物損事故というだけでは運転免許の点数に影響を与えないからです。逆に、通報しなければ当て逃げ扱いとなりますから６点です。６点では初めての違反でも一発免停(３０日間)となってしまいます。このあたりをやんわりと伝えれば納得するはずです。
問題は2や3の場合です。この場合はまず、保険会社に連絡して相談してみましょう。保険会社も普通は警察に通報するよう促すはずですから、「保険会社が警察に通報するように言っている」と言えば相手も納得する可能性があります。
また、相手方の保険会社にも相談してみることを促すのもいいでしょうこの他道路交通法上の義務であることを説明する等の方法が考えられます。