ここでは無免許運転等の運転免許や許可条件に関する違反の罰則と違反点数の内容を紹介します。
本来道路は自由に走行することができるものですが、自動車の運転は他人に危険を及ぼす可能性があります。そのため道路を走行するためには自動車の種類ごとに免許の取得が義務付けられています。
そのため、道路で適法に運転するためには、運転免許を取得していることはもちろん、様々な条件・制限をクリアしている必要があります。これらに違反すると次のような罰則と違反点数が科せられます。
違反内容 | 罰則 | 違反点数 |
---|---|---|
無免許運転 | 懲役3年以下又は罰金50万円以下 | 25点 |
免許条件違反 | 反則金7,000円 | 2点 |
仮免許運転違反 | 懲役6ヶ月以下又は罰金10万円以下 | 12点 |
仮免許練習表示義務違反 | 反則金6,000円 | 1点 |
通行許可条件違反 | 反則金4,000円 | 1点 |
制限外許可条件違反 | 反則金4,000円 | 1点 |
免許証不携帯 | 反則金3,000円 | 0点 |
無免許運転
無免許運転とは、運転免許を持っていないのに運転することです。単に免許を取得したことがないだけでなく、免許停止中の運転も無免許運転となります。
また、異なる車種の自動車を運転した場合も無免許運転となります。
例えば、中型免許しか持っていないのに大型自動車を運転する場合がこれに当たります。車両サイズが同じでも積載量が違えば必要な免許が異なりますから、うっかり無免許運転をしてしまわないよう注意する必要があります。
この他、1種免許しか持っていないのに、タクシーのような2種自動車を運転する場合も無免許運転となります。(いわゆる白タクはまた別の問題です。)
運転者が無免許であることを知りながら自動車を提供した場合や、無免許運転の自動車に同乗した場合は次の罰則が適用されます。点数の加算はありません。
違反内容 | 罰則 |
---|---|
無免許運転者への車両提供 | 懲役3年以下又は罰金30万円以下 |
無免許運転に同乗 | 懲役2年以下又は罰金30万円以下 |
違反点数は25点ですから、他の車種の免許を持っていた場合はその免許も一発取消となります。欠格期間は前歴のない場合でも2年間です。
運転免許を持っていない場合でも、免許取得の欠格期間は適用されますので、同じく2年間は免許を取得することができません。
免許条件違反
無免許運転とよく似た違反に免許条件違反があります。無免許運転が違う車種の自動車を運転することを言いますが、免許条件違反は同じ車種で一定の条件が付けられている場合、その条件に違反することです。
免許条件は、運転免許証の「免許の条件」の欄に記載されています。例えば、次のような行為が免許条件違反となります。
- 眼鏡等の条件があるのに眼鏡やコンタクトを着けず裸眼で運転した
- AT限定免許でMT車を運転した
- 中型8トン限定免許で8トン以上の中型車を運転した
- 小型二輪限定免許で排気量125cc超の普通二輪を運転した
仮免許運転違反と仮免許練習表示義務違反
仮免許を取得すれば公道に出て運転することができます。ただし練習するには次の2つの条件を満たす必要があります。
- 助手席に指導者(1種免許3年以上又は2種免許保持者)を同乗させていること
- 車両の見やすい位置に「仮免許練習中」と記載されたプレートを掲示すること
1の義務に違反すると仮免許運転違反となり、2の義務に違反すると仮免許練習標示義務違反となります。
仮免許運転違反は、無免許運転に近い危険な行為ですから点数は12点で反則通告制度の対象外となり、刑事罰が科されます。
自動車教習の際は必ず教習自動車を運転しますので、見覚えがあるでしょうが、道路を仮免許で走行する場合は「仮免許練習中」と記載した標識を見やすい場所に掲示する必要があります。
これを掲示していなかったり、掲示していても見えにくい場所だった場合は仮免許練習標示義務違反となります。
現代の日本では教習車以外で仮免練習をするのは推奨できません。これらの違反は、ほとんどの人には縁のない違反行為と言えるでしょう。
通行許可条件違反
通行禁止の場所を走行するためには、警察署長の許可を受ける必要があります。この許可にも一定の条件が付されることがあり、その条件に違反した場合には通行許可条件違反となります。
例えば、通行可能時間帯が指定されているのに、その時間帯以外に通行した場合があります。
したがって、この違反は通行許可を持っていない人には関係ありません。もし、通行許可なく通行禁止場所に進入すれば通行禁止違反となり、反則金7,000円、違反点数2点となります。
なお、通学路は通学時間帯は通行禁止となる場所が多くあります。近隣住民は本来であれば許可を取るべきですが、実情として通行許可を得ずに走行している場合がほとんどで、警察も黙認しているという状況です。
過度に厳格な運用は時には社会活動を制限しすぎてしまうため、このような運用も場合によっては必要でしょう。しかし、このような状況を認識した上で通学する自動に十分配慮することが必要と言えます。
制限外許可条件違反
どのような自動車でも、積載可能な重量やサイズが定められています。しかし、場合によっては制限外の積載物を輸送する必要がある場合があります。わかりやす例は、新幹線の車両を道路で輸送する場合です。
このような場合、制限外許可が必要ですが、制限速度や通行時間等の条件が定められています。この条件に違反した場合制限外許可条件違反となります。
免許証不携帯
運転免許を取得しており、免許条件が適正だったとしても、免許を携帯していなければ違反となります。免許不携帯では反則金3,000円のみが科せられ、違反点数はありません。