右折や左折をしようとする交差点の信号で停止したとき、赤信号中は何もせずに、青信号に変わってから方向指示器(ウインカー)で合図する人が多くいます。普段運転していると、周りにそういう人が多いから自分もそうしている、という人も多いのではないでしょうか。
赤信号でも合図は必要
しかし、このような行為は道路交通法違反となってしまいます。右折や左折をする際には、曲がろうとする場所の30m手前から合図を出す必要があるためです。
道路交通法施行令第21条第1項(合図の時期及び方法)
左折するとき
その行為をしようとする地点(交差点においてその行為をする場合にあつては、当該交差点の手前の側端)から三十メートル手前の地点に達したとき。
右折し、又は転回するとき
その行為をしようとする地点(交差点において右折する場合にあつては、当該交差点の手前の側端)から三十メートル手前の地点に達したとき。
赤信号ならウインカーを出さなくてもいいような気がするかもしれませんが、法律では赤信号なら出さなくてもOKといったことは記載されていません。つまり、信号の色に関係なく、
違反した場合は「合図不履行」
現実問題として、これで違反を取られる可能性は低いと考えられますが、赤信号中に合図を出さないと「合図不履行」という違反となります。
違反名称 | 反則金 | 違反点数 |
---|---|---|
合図不履行 | 6,000円 | 1点 |
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合図を早めに出すメリットもある
合図は、自分が進行しようとしている方向を周囲に予測してもらうために行われます。そのため、なるべく早めに行うのが理想ということができます。
とは言え、赤信号停止中に合図を出したところで、自分は動いていないのだからあまり意味がないのでは?そう考えてしまう人が多いのが、この違反が多くなってしまった理由ではないかと考えられます。
しかし、合図を出しておくと、同じ信号を待っている他の車が「ここでは右折車が多いから直進して次の交差点で右折しよう」と考え、交通が円滑になる可能性があります。この他、同じ赤信号を左側で待っている歩行者が「左折車が多いようなので、右側に移動しておこう」という柔軟な対応をすることも可能になります。
これらは大したメリットとは言えないかもしれませんが、メリットがゼロではなく、合図しないことが違反となってしまう以上、赤信号停止中に合図をしない理由にはならないでしょう。