自動車保険の任意保険を販売しているのは損害保険会社です。損害保険会社の中には自動車保険を専門とする会社もありますが、第三分野保険と言われる医療保険を販売している会社も多くあります。
医療保険を販売する損害保険会社では、医療保険と任意保険を同時加入した場合に割引してくれる場合があります。
このような同時加入割引は保険料を節約するために有効な手段なのでしょうか。
同じ保険会社だったらラッキーくらいに考えておこう
医療保険は生命保険と同様、比較的長期的に加入する傾向が強い保険と言えます。自動車と違って年齢や家族構成などによって契約内容を見直す必要がないためです。
これに対して任意保険は、毎年保険内容を見直すことで保険料を安く抑えることができる保険です。そのため、契約保険会社が毎年のように変わってしまうことも考えられます。
しかし、それに合わせて医療保険も変更していくというのはあまり現実的ではありません。つまり、医療保険と任意保険の同時割引は狙って受けるほどのものではなく、たまたま保険会社が一致したらラッキーくらいのスタンスでいるのがいいでしょう。
見方を変えれば、「任意保険を見直そうかと思ったけど医療保険との同時割引があるから今のままでいいかな」という考えもあまり得策ではないでしょう。まずは一括見積もりをして今より安い保険会社がないかどうか探してみることをお勧めします。
日本では医療保険の必要性が高くない
少し蛇足的な話になりますが、そもそも医療保険というものが現在の日本で必要か、ということも考えてみてください。
医療保険はもともとアメリカで作られた保険です。アメリカでは近年オバマケアと呼ばれる医療保険制度改革がなされたことからもわかるように、公的医療保険が十分とは言えませんでした。
公的保険があてにならないのだから、怪我や病気のときも自己負担となってしまいます。そのためアメリカでは公的保険の代わりに医療保険に加入するわけです。
しかし、日本はアメリカと比べて公的医療保障制度が充実しており、民間の医療保険の必要性は相対的に低くなっています。
割引の話とは直接関係はありませんが、人によっては医療保険との割引を意識するよりも医療保険が本当に自分に必要なのかを見直した方がいいかもしれません。
健康保険は3割負担と思っている人もいるようですが、高額な医療費がかかる場合には負担割合はさらに低くなります。医療保険に加入されている場合は、公的保険制度のことを確認してみることをお勧めします。