右折車は直進車の走行を妨害しないように配慮して運転する必要があります。そのため、一般に過失割合は直進車より右折車の方が大きくなります。また、直進車がバイクの場合はその要保護性の高さから、さらに過失割合が減算されます。
その結果、直進バイクと右折自動車との事故では右折自動車がかなり大きな過失割合を負担することになります。もちろん、バイクのみが信号無視をしている場合など、明らかに事故の責任がバイクにある場合にはバイクの方が過失割合が大きくなります。
目次
1.双方とも青信号で交差点に進入
バイク:自動車=15:85
右折車は直進自動車に配慮して右折する必要があります。そのため過失割合が大きくなりますが、さらに相手がバイクであった場合は保護の必要があるため、バイクの過失割合はかなり軽減されています。
2.バイクが黄信号、自動車が青信号で交差点に進入
バイク:自動車=60:40
黄信号では自動車・バイクは原則として停止する必要があります。例外的に交差点進入直前に黄信号に変わった場合、安全に停止することができませんから、その場合は通行することができます。そのような例外的な事情がない限り、黄信号で交差点に進入するのは違反ですから、ケース1の場合と比べて過失割合が35%大きくなります。
なお、自動車にも直進車に配慮する必要があること、バイクに要保護性があることが加味されますので、相応の過失割合を負担することにはなります。
3.双方とも黄信号で交差点に進入
バイク:自動車=30:70
ケース2で自動車の方も黄信号で交差点に進入した場合です。この場合は自動車にも違反が認められますから、ケース2と比べて過失割合が30%増加しています。
4.バイクが赤信号、自動車が青信号で交差点に進入
バイク:自動車=80:20
直進バイクの赤信号無視は大きな違反です。これに対して自動車は青信号で交差点に進入しており違反は見られません。そのため、この場合はバイクが大きな過失割合を負担することになります。
5.バイクが赤信号、自動車が黄信号で交差点に進入
バイク:自動車=60:40
ケース4で自動車が青信号ではなく黄信号で交差点に進入していた場合です。この場合は自動車にも違反が認められますが、赤信号のバイクと比べると、まだその程度は軽いと言えますから、自動車の過失割合の減算は20%にとどまり、過半数はバイクが負担することになります。
6.双方とも赤信号で交差点に進入
バイク:自動車=40:60
双方とも赤信号であれば、ケース5と比べて自動車の過失割合がさらに20%増加します。違反の内容は同じですが、右折車の方が直進車より大きな注意義務があることから、自動車の方が大きな過失割合を負担します。
7.バイクが赤信号、直進車が青矢印で交差点に進入
バイク:自動車=100:0
青矢印信号は、その示す方向については青信号と同じ効果があります。したがって、信号無視して直進してきたバイクが100%の過失割合を負担します。