信号のない交差点での事故の過失割合は基本的に直進車同士の事故の過失割合の考え方と同様です。具体的には、優先道路かどうか、道の広さが違うか、一時停止線があるか等の要素が影響します。
この他、バイクは自動車と比べて走行の安定性に欠けることや事故の際に怪我をする可能性が 高く保護の必要性が高いことから、バイクの方が過失割合が低い傾向にあります。
バイクと自動車の事故ではこれらの要素を加味したものとなっています。
目次
1.バイクが左方、自動車が右方
バイク:自動車=30:70
どちらも優先道路ではなく、道幅の差もなく、一時停止線もない道路同士の交差点では、左側から道路に進入する方が優先するのが原則です。これを左方優先の原則と言います。このケースではバイクの方が左方にいるため優先されることになります。そのため過失割合は非優先となる自動車の方が大きくなります。
2.バイクが左方、自動車が右方(自動車減速なし)
バイク:自動車=15:85
ケース1で自動車が減速せずに交差点に進入した場合の過失割合です。交差点に進入する際には減速する必要がありますが、全く減速せずに交差点に進入した場合はケース1と比べて15%過失割合が加算されます。なお、徐行まですることは求められていません。
3.バイクが右方、自動車が左方
バイク:自動車=50:50
ケース1とは逆で、自動車の方が左方にいる場合です。こちらでは自動車の方に左方優先の原則が働きます。それにバイク特有の事情が加味されて過失割合は50:50となります。見通しのいい交差点では、右方のバイク側の過失割合が10%加算されます。
4.バイクが右方、自動車が左方(バイク減速なし)
バイク:自動車=35:65
ケース3でバイクが全く減速せずに交差点に進入した場合の過失割合です。この場合もケース2と同様、原則しなかった側の過失割合が15%加算されます。
5.バイクが広い道路、自動車が狭い道路
バイク:自動車=20:80
道路の道幅が明らかに異なる場合は、道幅の広い道路を走行する車両が優先されます。そのため、衝突した場合には狭い道を走行していた方の過失割合が多くなっています。
6.バイクが狭い道路、自動車が広い道路
バイク:自動車=60:40
ケース5と逆にバイクが狭い道路から交差点に進入したケースです。この場合は自動車の方が優先されますからケース5と比べて自動車の過失割合が軽減されます。ただし、バイクは要保護性が強いため、バイクの過失割合は軽減されます。
7.バイクが優先道路、自動車が非優先道路
バイク:自動車=10:90
優先道路では非優先道路との交差点でも減速せずに進行することができます。一方非優先道路の走行車は、優先道路の走行車を妨害しないように配慮しなければなりません。そのため、事故が起こった場合は、非優先道路から出てきた自動車に大きな責任があり、ほとんどの過失割合を自動車側が負担することになります。
8.バイクが非優先道路、自動車が優先道路
バイク:自動車=70:30
ケース7とは逆でバイクが非優先道路から交差点に進入した場合です。この場合もバイク側が大きな責任を負いますが、バイクの過失割合は軽減され70%にとどまります。
9.自動車が一時停止線を無視
バイク:自動車=15:85
一時停止線がある交差点では、自動車やバイクは停止線の前で一旦停止してから交差点に進入する必要があります。一方一時停止線がない道路の走行車は、他方が一時停止することを期待して走行しています。そのため、一時停止線を無視した側が大きな責任を負うことになります。
一時停止線の場合は、道幅の違いの場合(ケース5)より責任は大きく、優先道路・非優先道路の関係の場合(ケース7)より小さくなっています。
10.バイクが一時停止線を無視
バイク:自動車=65:35
ケース9の逆でバイクの方に一時停止線があった場合です。この場合はバイクに大きな責任があるため過失割合もバイクが大きくなっています。
12.バイクが一方通行違反
バイク:自動車=70:30
当然のことですが一方通行を逆走するのは違反行為です。そのため、過失割合は逆走したバイクの方が多く負担することになります。一方自動車側にも交差点では周囲に注意する必要があったため一部の過失割合を負担することになります。
13.自動車が一方通行違反
バイク:自動車=10:90
ケース12と逆に自動車の方が一方通行を逆走した場合の過失割合です。この場合は自動車に大きな過失がありますから、バイクの過失相殺の軽減も考慮すると、自動車側に90%の過失割合が課せられることになります。