任意保険のうち最も重要なのが対人賠償責任保険(対人賠責)です。任意保険は法律で強制されているわけではないですが、必ず掛けなければならないと言われています。それは対人賠償責任保険が非常に重要な保険であるためです。
鉄則1.対人賠責には絶対に加入しよう
なぜ対人賠責が重要なのでしょうか。
対人賠責の補償範囲は、自賠責保険の補償範囲と重複しています。自賠責があるのだから、任意保険まで加入する必要はないと考える人もいるかもしれません。
しかし、自賠責保険で支払われる保険金は死亡や重度の後遺障害で最大3000万円にしかなりません。対人事故で発生する賠償額は1億円を超えるケースが少なくありません。
対人事故では、もし事故が起こっていなかったら得られたと考えられる収入額(逸失利益)が賠償額に影響してきます。
そのため、相手が若かったり、高収入の職業であった場合に賠償額が高額になります。このような高額賠償が発生することを考えると、必ず対人賠責に加入する必要があると言えます。
次の表は近年の高額賠償事例です。
実際の高額事例を見ると、20代の若い被害者の後遺障害発生事例や、被害者が高収入の開業医であるものが上位を占めていることがわかります。
なお、若い人の場合は死亡より後遺障害の方が賠償額は高額になります。これは、死亡の場合は本来得られたはずの収入が賠償額となりますが、後遺障害の場合は、障害を負って生きていくためのにかかる費用も賠償額に加算されるためです。
鉄則2.補償額は必ず無制限にしよう
以上の表を見ればわかる通り、対人賠責ではとてつもない巨額の賠償責任を負ってしまう恐れがあります。
そのため、 対人賠責の限度額は必ず「無制限」で設定してください。限度額を上げると保険料が上がってしまうと思うかも知れませんが、1億円でも無制限でも保険料に大した差はありません。
それよりも、僅かな保険料を惜しんだために一生後悔することのないよう、対人賠責は絶対に「無制限」で契約してください。