自賠責保険は自動車に載るのであれば必ず加入しなければならない強制保険です。
自賠責保険の運営主体
自賠責保険は、損害保険会社が窓口となって保険料を徴収しますが、運営主体は日本国政府です。各共済組合が募集する自賠責共済も、名称は異なりますが、こちらも運営主体は同じく日本国政府です。
自賠責保険の保険金を請求する場合、提出先の窓口となるのは損害保険会社ですが、事故・損害の調査を行うのは損害保険会社ではなく、自賠責損害調査事務所です。
損害保険料率算出機構は、自賠責損害調査事務所を全国各地に設置しています。自賠責損害調査事務所の調査によって、傷害や後遺障害の等級が判定され支払われる保険金の額が決まり、被害者に直接支払われます。
自賠責共済でも多くの共済組合が自賠責損害調査事務所に調査を依頼していますが、独自に調査している共済もあります。そのため、同じ事故内容でも調査結果が違ってくる可能性があります。
自賠責保険の保険金額は任意保険の対人賠責と比べて低くなっています。また、任意保険の対人賠責では、傷害や死亡に関わらず賠償額が保障されるのに対して、自賠責では、傷害・後遺障害・死亡の3つについてそれぞれ判断する点も異なります。
自賠責保険の保障内容
自賠責保険の保険金額は次の通りです。いずれも1名あたりの金額です。
傷害 :最大120万円
後遺障害 :等級に応じて異なり、最大で4000万円
死亡 :3000万円
対人事故では数億円の賠償責任が発生することがありますから、自賠責保険だけでは保障が不十分なのがわかるでしょう。自動車の運転をするのであれば、任意保険の対人賠償責任保険を無制限で付帯することが事実上必須と言えます。
なお、死亡より後遺障害の方が賠償額が多いのが変に思えるかもしれませんが、重度な障害を負ったままこの先生きていくための費用が多くかかるためです。