任意保険の車両保険を付帯する場合、エコノミーA型にするか、それとも一般型にするかで迷うことも多いでしょう。エコノミーA型では「当て逃げ」による損害が除外されています。しかしエコノミーA型でも「いたずら」は補償の対象となります。「いたずら」と「当て逃げ」は何が違うのでしょうか。
「当て逃げ」と「いたずら」の定義
自動車保険では、次のように定義されています。
当て逃げ:自分の車に他の車が接触したが、その相手が不明の場合
いたずら:人間の手で故意に車に傷をつけられた場合
一応、いたずらは故意、当て逃げは過失ということになっていますが、普通に考えて、生身の人間が過失で車に傷をつけることはあまり考えられません。逆に車で故意にぶつけてやろうというタチの悪いいたずらはそうそうありません。
そのため、当て逃げといたずらの違いは実質的には人がつけた傷か車がつけた傷かの違いと考えても差し支えないでしょう。
当て逃げ → 車が(過失で)付けた傷
いらずら → 人が(故意に)付けた傷
ちなみに、人の手によってつけられた傷か、車が接触してできた傷か、はプロが見れば簡単に判別できますので、どちらになるかわからないといったことはほとんどないと思われます。
エコノミーA型に加入していて車が傷ついているのを発見した場合、保険会社に連絡したらあとは人間の手によるいたずらであることを祈ることになります。なぜなら、
当て逃げは3等級、いたずらは1等級ダウン
ダウンするノンフリート等級も違います。
当て逃げ事故は通常の事故と同じ3等級ダウン事故ですが、いたずらによる修理は1等級ダウン事故として扱われます。
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なお、蛇足ですが、かすり傷一つで相手の車種と年式までは識別可能です。付着する塗装に特徴があるためで、指紋のようなものです。重大犯罪が絡まない限り徹底的に調べることはありませんが、車種と年代さえ分かればあとはそこに絞ってしらみつぶしに探されますから、大抵は特定されます。
つまり、ひき逃げは絶対に捕まります。だからというわけではありませんが、救護義務もありますので人を撥ねたり他車にぶつけてしまったらすぐに適切な救護対応をし救急車や警察を呼ぶようにしてください。