任意保険の対物賠償責任保険(対物賠責)は、事故で相手方に与えた損害のうち、物の損害を補償するための保険です。対人賠責の次に重要な保険であると言えます。
対物賠責の限度額は無制限がいい?
対人事故では相手が死亡したり重度の後遺障害を負ってしまうと数億円の賠償金が発生することがあるため、必ず対人賠責の限度額を無制限に設定する必要があります。
これに対して、対物事故で高額の賠償責任を負う可能性は決して高いものではありません。とは言うものの、非常に高価なものを壊してしまった場合や、店舗に車が突っ込み、休業損害が発生した場合は、対人事故並みの高額賠償が発生してきます。
下の表は対物事故での高額賠償事例です。
いずれの事例でも高額な休業損害が生じていることが想像できます。4番目のトレーラーというのが気になる人もいるかもしれませんので補足しておきます。トレーラーにはコンテナ車のような珍しくもなんともないものもあれば、日本に2,3台しかない超の付くほどの特殊車両もあります。このようなトレーラーを壊してしまうと代えがありませんから、所有・運用している企業としては大きな損失を被ることになるのです。
このような高額賠償のことを考えると、やはり対物も限度額を無制限とした方が得策と言えるでしょう。対人賠責の記事でも書きましたが、限度額1億円と無制限では大した保険料差は発生しません。
余談ですが、知り合いに骨董品を運送中の車両に追突してしまった人がいました。
相手方の運転手に怪我はないレベルの追突でしたが、高級な骨董品がいくつも無残に破壊されて2000万円以上の賠償金が発生しました。もし対物を無制限で掛けていなかったらと思うとゾッとする事件でした。