保険加入者や被害者から自賠責保険の請求がなされると、自賠責損害調査事務所が保障金額の査定を行います。自賠責保険の査定は、あらかじめ定められた基準に基づいて行われます。
自賠責保険の査定
自賠責保険の具体的な保険金は、損害保険料率算出機構の下部組織である、自賠責損害調査事務所が査定を行って決定します。
任意保険の場合と同様に、他の同様の事故での被害者との差別的な取り扱いをしないよう、できるだけ平等になるように配慮した査定がなされます。なお、自賠責損害調査事務所は、定められた査定基準に反する査定を行うことはできません。
自賠責保険の異議申し立て
しかし、査定を行うのも人間のやることですから、常に完全に平等な金額となる保証はありません。事故の状況によっては必ずしも明確に判断できない場合もありますから、査定判断を誤ってしまったという場合もあり得るのです。
このような被害者を救済する手段として設けられているのが、自賠責保険の異議申し立て制度です。被害者は自賠責損害調査事務所が行った査定内容に不服があるときは、異議を申し立てることができます。
例えば、5等級(保障額1574万円)の後遺障害と認定されると思っていたのに、調査事務所が6等級(保障額1296万円)と査定されたら、受け取れる保障金は288万円も減ってしまいます。
そのため、被害者に対して異議申し立ての権利を保障することは重要な意味を持っていると言えます。なお、異議申し立ては、損害調査事務所の上位組織である損害保険料率算出機構に対して行います。
この他、民間の紛争解決機関に対して相談・申立てをすることも可能です。