損益相殺の対象となる給付とならない給付

損益相殺の対象となるには、その給付が損害を填補する性質を有するかどうかで判断します。健康保険は損益相殺の対象となり、生命保険は対象となりません。労災保険は目的が多岐にわたり、対象となる場合とならない場合があります。

健康保険

健康保険は、怪我や病気の治療費の負担を軽減する制度です。加害者からなされる損害賠償には怪我の治療のための費用も含まれています。そのため、両者は同じ趣旨で支払われるものと言えますから、被害者が二重取りとならないよう健康保険での控除分は損害額からも控除されます

ただし、これは加害者の負担が軽減されるというわけではありません。健康保険は加入者から集めた保険料で不慮の怪我や病気による治療費を填補するものです。そのため、加害者の責任が明確である交通事故においては、健康保険から加害者に対して求償がなされます。求償額は被害者の過失割合に応じて減額されます。

生命保険

交通事故で被害者が死亡した場合の損害賠償額の中には、残された遺族のこの先の生活費も含まれています。他方で生命保険についても、被害者がその家族に万が一のことがあったときの生活費を保障することを目的とするものですから、両者の目的は重複しているようにも思えます。

しかし、現在の実務では、生命保険金は損害額から控除されないこととなっています。これは、生命保険金が、被害者が生命保険会社と締結した保険契約に基づいて支払われているもので、交通事故で死亡したとしても全く別の性質のものだと考えられているためです。

なお、生命保険金については保険会社から加害者に対して求償することは認められていません。

労災保険

被害者が業務中に事故に巻き込まれた場合は、労災保険からも給付金が支払われます。労災保険の給付金は目的が多岐に渡るため、損益相殺の対象になるものとならないものがあります。

労災保険のうち損益相殺の対象となるのは、療養補償給付、休業補償給付、傷病補償給付、障害補償給付です。これらはいずれも、加害者から支払われる逸失利益と同一の趣旨に基づくものと考えられるためです。

次の給付金は損益相殺の対象とはなりません。

特別支援金

労災保険では、被災した労働者やその遺族に対して、特別支援金が支給されることがあります。この支援金は給与基礎日額の20%に相当する額が支払われることとなっており、損害の填補をするものではないと考えられています。そのため損益相殺の対象とはなりません。

将来の労災保険の給付金

労災事故で後遺障害等級7級以上の後遺障害を負った場合には、将来年金が支給されることとなっています。後遺障害の原因が交通事故にあり、その損害についても加害者が賠償するのであれば、被害者が二重取りになってしまうようにも思えます。

しかし、将来支払われる給付額が確定していないため、損益相殺によって控除されてしまうと加害者の支払う賠償金の額が極端に少なくなってしまう可能性があります。

そのため、判例は将来の労災保険の給付金については確定している遺族年金の絵限度で損益相殺を認めています。

損益相殺と慰謝料

損益相殺は、財産的損害についてのみ控除されるもので、精神的損害については控除されません。被害者の過失割合が大きい場合には、損益相殺の額が財産的損害の額を上回る場合があります。このような場合でも、精神的損害の賠償金である慰謝料から損益相殺がされることはありません

例えば、全損害額が1000万円で財産的損害と慰謝料がそれぞれ500万円で、過失割合が5割であれば、加害者が支払う金額は財産的損害と慰謝料がそれぞれ250万円となります。

この時被害者が健康保険や労災保険等から400万円の支給を受けたとすれば、財産的損害額250万円-400万円で150万円損益相殺額が超過してしまいます。

しかし、慰謝料から損益相殺話されませんので、財産的損害の賠償額は0円で慰謝料は250万円となり、合計250万円が賠償金として支払われます。

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