信号機のない交差点の直進車と左折車の事故の過失割合(4例)

直進車と右折車の場合と比べて、直進車と左折車の過失割合は単純です。直進車には慣習的に優先されているのに対して、左折者には左方優先の原則が働きます。現在の実務では、これらのバランスは均衡していると考えられています。したがって、直進車と左折車はほぼ対等な関係にあり、互いに走行していた道路同士の関係によって過失割合が決定されます。

1.特に優先関係のない道路同士の交差点

A:B=50:50

道幅が同程度で、優先道路・非優先道路の区分もなく、いずれも停止線がないケースです。この場合、道路交通法上は左方優先の原則が作用しますが、直進車が左折車に優先することが慣習化していますでの、両者の過失割合は同じとなります。

2.広い道路と狭い道路の交差点

A:B=70:30

明らかに道幅の広さが異なる道路では、広い道路の方が優先することとなっています。そのため、狭い道幅の道路から交差点に進入してきた車は、広い道路の車より大きな責任を負います。そのため、ケース1の場合と比べて過失割合が20%加算されることとなっています。

3.優先道路と被優先道路の交差点

A:B=90:10

優先道路と被優先道路が明確にわかれている場合は、道幅の広さが異なる場合より過失割合の差は大きくなります。

非優先道路から交差点に進入してきた自動車は、優先道路の自動車の進行を妨害してはいけません。そのため、事故が起こった場合は、ほとんどの過失割合を非優先道路側の車が負担することになります。なお、非優先道路の自動車が一時停止を怠っていた場合はさらに10%過失割合が加算され、100%の過失割合となります。

4.一方に一時停止線がある交差点

A:B=80:20

片方の道路に一時停止線のある交差点での事故のケースです。こちらの場合は、一時停止を無視して交差点に進入してきた車が大きな責任を負うことになり、その過失割合は80%となります。過失責任は道路の広さが違う場合(ケース2)より大きく、優先道路非優先道路の関係の場合(ケース3)より小さいと言うことができます。

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