車両の評価損の賠償が認められる場合

自動車が交通事故で分損した場合、加害者は原状回復費用、つまり修理代金を支払う必要があります。しかし、完全には修理しきれない場合もあります。このような場合は、車両自体の評価が下がることになり、本来の評価額との差額が評価損となります。ここで紹介する判例は、このような場合に評価損を賠償金に含めることを認めたものです。

東京地方裁判所判決平成23年11月25日自保ジャーナル1864号165頁

事例

Xは自己が所有する、購入してから3か月の日産GT-R(約850万円)を運転していたところ、Yが運転する自動車と衝突し、約140万円の修理費用が発生した。Xは修理費用とは別に、自動車の評価損が発生したとして200万円の支払いをYに対して請求した。

判決

裁判所は、事故後の修理によっても、車両が完全に修理されなかったという事実を認定し、評価損が存在していることを認めた上で、Xが修理後の機能的な欠陥を証明していないことを理由に、修理費用の半額相当額の70万円をYが支払うべき評価損であると判示した。

解説

修理というのも万能なものではありません。基本的に修理が不能なのであれば、全損扱いとなるのですが、このケースでは850万円の車両に対して140万円の修理費が発生しているに過ぎないので、経済的な損失を考えると全損とすることはできません。

そのため、このように修理に限界がある場合には評価損が発生する場合があります。問題は、その金額をどのように考えるかです。評価損とはその時点で車両を売却した場合の価値との差額ですが、実際には売却していないので、はっきりとはわかりません。

判例は、従来より評価損を認定する傾向が増えてきました。本ケースのように車両価格が高額でしかも走行距離が極めて少ない場合には評価額を大きく認定する傾向があります。逆に安く古い車では低く認定するか、そもそも否定されることが多くあります。

評価損が認められる額は、一般に修理額の30%前後となることが多いようです。評価損の算定の軸となるのは、技術的な評価損と取引上の評価損があります。

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