T字路交差点での事故の過失割合(6例)

T字路交差点では、一般的に突き当たりの道路の方が交通量が少ないことが一般的です。そのため直進路を走行する自動車の方が突き当たり道路を走行する自動車より過失割合は低くなる傾向にあります。

1.右折車・左折車と直進車

A:B=30:70

BがT字路交差点の突き当たり道路から右折または左折して、直進車Aと衝突した場合の過失割合です。突き当たり道路からの進入は徐行して行うことが期待されています。そのため、Bの方が過失割合が大きくなっています。

なお、右折でも左折でも過失割合に違いはありません。

少し細かい話になりますが、Aの進行方向によってはBの左方優先の原則が働いて有利にならないのかという疑問を持つ方もいるかと思います。確かに左方優先の原則はT字路であっても存在します。しかし、現実問題として、T字路交差点では直進路の方が交通量が多いのが普通で、そうでない場合に停止線もなければ道幅の違いもない道路というのがほとんどあり得ないのです。そのため、過失相殺のケースとしても用意されていないのだと考えられます。

2.右折車・左折車と直進車(道幅が異なる道路)

A:B=20:80

直進路の道幅が広く、突き当たり道路の方が道幅が狭い場合です。この場合は、Bの徐行すべき責任はより重くなりますから、負担割合も10%増加しています。

3.右折車・左折車と直進車(突き当たり道路に一時停止線)

A:B=15:85

突き当たり道路に一時停止線があるのにBが停止をせずに交差点に進入した場合です。この場合もケース1と比べてより重い責任が課されますが、道幅が異なる場合(ケース3)と比べてもさらに5%大きな過失割合が課されることになります。

4.右折車・左折車と直進車(直進路が優先道路)

A:B=10:90

突き当たり道路が非優先道路の場合、Bは優先道路を走行するAを妨害しないように走行する必要があります。これを怠っているためほとんどの過失がBに課されることになります。

5.右折車同士

A:B=40:60

ケース1と同じ条件の交差点でA・B共に右折している場合の過失割合です。Bが徐行して直進路の走行車に注意すべき点はケース1と全く同じです。これに対してAは右折しているのですから直進する場合と比べてより注意すべきと言えますし、交差点では徐行する必要がありますから、ケース1の場合と比べて10%過失割合が加算されることになります。

6.右折車同士(道幅が異なる道路)

A:B=30:70

ケース5で直進路の方が突き当たり道路より道幅が広い場合の過失割合です。これはケース1とケース2の関係と同じことがケース5と本ケースの関係でも言えることになります。

狭い道から交差点に進入するBはケース5の場合と比べてより高い水準の注意義務を負うことになります。そのためケース5と比べて10%高い過失割合を負担することになります。

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