自転車は自動車と違い事故の衝撃を保護する車体がありませんし、シートベルトもありませんから死傷する可能性が高くなっています。また、自転車は免許の必要ない比較的安全な乗物です。これらの要素は過失割合において自転車が有利に扱われます。
一方、交差点では右折車は対向直進車の進行を妨害しないように運転する必要があります。これを直進車優先の原則と言います。そのため、この点については直進自動車の方が有利になります。
これらの要素に加えて、それぞれの交差点への侵入タイミングと信号の色が過失割合を左右します。
1.自転車・自動車共に青信号
自転車:50% 自動車:50%
共に青信号の場合は、直進車優先の原則によって自動車の方が有利に扱われます。しかし、自転車には保護の必要性が作用するため、過失割合は等しくなります。
2.自転車が青信号、自動車が黄信号
自転車:20% 自動車:80%
自転車が青信号で交差点に進入した後に信号が黄色に変わり、黄信号で停止せずに直進してきた自動車と接触した場合の過失割合です。黄信号では原則として車両は停止しなければなりません。自動車には停止義務違反が認められますから主な事故の原因は自動車にあり、80%の過失割合を負担することになります。
3.自転車・自動車共に黄信号
自転車:40% 自動車:60%
ケース2で、自転車も黄信号になってから交差点に進入した場合の過失割合です。この場合は自転車にも責任が認められますから、自動車の過失割合はケース2と比べて20%低くなります。
なお、自動車の方が危険な乗物でありため、信号無視による責任が重くなり、双方とも青の場合(ケース1)と比べて過失割合が10%高くなっています。
4.自転車・自動車共に赤信号
自転車:30% 自動車:70%
共に赤信号を無視した場合の過失割合です。どちらにも重大な違反が見られるという点では同じですが、自転車の要保護性と自動車が直進している点を加味して、自動車が70%の過失割合を負担することになります。
なお、自動車の信号無視の方が重い点はケース3と同様ですが、より危険な赤信号無視であるため、さらに10%自動車の過失割合が加重されています。