最近では自家用車にもドライブレコーダーが普及してきています。世間の注目を集めるような重大な事故が起こる度にドラレコが品薄になるという話も耳にします。
このように注目を集めることの多いドライブレコーダーですが、自動車保険との関係ではどんなメリットがあるのでしょうか。
事故相手方とのトラブルが減る
ドライブレコーダー搭載のメリットは、事故の決定的瞬間を記録することにあります。
例えば、出会い頭の事故で、本当は相手の方が急に飛び出してきたのに、相手が嘘をついて逆のことを言ってくることも考えられます。
これを自動車の傷の場所等の情報を拾って証明するのは一苦労ですが、もしドライブレコーダーを搭載していたら一発で相手の嘘を証明することができます。
こうした相手の嘘を封じる点がドライブレコーダーの大きなメリットです。
保険会社とのトラブルも減る
トラブルの相手は事故の相手方だけとは限りません。
保険会社から見れば、保険金の支払いは出費に当たりますから、なるべく保険金の出費は抑えたいという心理が働きます。そのため、明確な証拠がない場合は保険金の支払いに消極的になることが多くあります。
しかし、ドライブレコーダーの記録映像があれば、そのような保険会社に対して証拠を突きつけて保険金をきっちり支払わせることができます。
この意味で、ドライブレコーダーは自動車保険との関係でもメリットがあると言えなくもないでしょう。
ドライブレコーダー割引は今のところ存在しない
残念ながら現在のところ、ドライブレコーダーを搭載しているというだけで保険料の割引を受けられるサービスは存在しません。(2017年現在)
任意保険の保険料は、事故の発生数と保険金の支払い金額によって決まります。保険金は保険会社が支払うものですから、支出する保険金の額が減れば保険料を割り引いても保険会社は得をすることになります。逆に言えば、支出する保険金が減らないなら割り引く理由もないということになります。
上で書いたように、ドライブレコーダーはどちらかというと保険会社にとっては保険金の支出を増やしてしまうものです。そう考えるとドライブレコーダーの搭載は保険料の割引の理由にはならないことがわかるでしょう。
では、今後もドライブレコーダー割引が導入されることはないのか、というとそうとも限らないようです。ソニー損保の加入者からのドライブレコーダー割引導入の要望に対して次のような回答がなされています。
ドライブレコーダーは、弊社契約のほとんどを占めるファミリーユースのお車にはあまり普及していないと考えます。したがいまして、ドライブレコーダーによって保険金のお支払いを削減する効果を検証する十分なデータがないことから、現時点では割引等を新設することは困難と考えております。将来的な課題として保険料割引等を検討させていただきます。
なお、この回答がなされたのは2012年12月と約5年前の情報です。この5年間でドラレコもかなり普及したと考えられますから、今後は、ドライブレコーダー搭載により事故が減少するという傾向が認められれば、ドライブレコーダー割引が導入されることも期待できるかもしれません。
保険会社のドライブレコーダー貸し出しサービス
以上のように、ドライブレコーダーは保険会社にとってある意味不利とも言える存在ですが、これを逆手に取ったともいえるサービスも存在します。
保険会社によってサービス内容や料金は様々です。ただし、このサービスは現在(2017年11月)のところ法人フリート契約限定で、個人所有の自動車には適用できません。今後個人用ノンフリート契約車両にも導入が進むことが期待されます。
ドライブレコーダー特約
上記の貸し出しサービスとは別で、こちらは提供保険会社が限られてはいるものの、個人でも契約が可能です。