救急車や消防車がサイレンを鳴らしながら近づいて来たら、他の車両は横に避けたり、青信号でも停止するなどの対応を取る必要があります。このような適切な対応を取らなかった場合は、緊急車妨害等という道路交通法上の違反となってしまいます。
ここでは、緊急車妨害等の内容をわかりやすく説明します。
緊急車妨害等の反則金と点数
緊急車妨害等は違反点数1点、反則金6,000円の、交通反則通告制度の対象となる違反です。反則金を支払わない場合、罰金5万円以下の刑事処分を受ける可能性があります。
違反名称 | 反則金 | 違反点数 |
---|---|---|
緊急車妨害等 | 6,000円 | 1点 |
緊急車とは
そもそも、緊急車とはどのような車両を言うのでしょうか。道路交通法第39条第1項では次の用に定められています。
消防用自動車、救急用自動車その他の政令で定める自動車で、当該緊急用務のため、政令で定めるところにより、運転中のもの
これを見れば消防車や救急車が含まれるのはわかりますが、この他にもいろいろな緊急車があります。例えば、東京電力等の電力会社、ガス会社、鉄道会社、高速道路会社など、民間企業の車両も少なくありません。
これらの自動車がサイレンを鳴らして、赤色回転灯を点灯させて走行しているときは、全て緊急車となります。
緊急車が近づいてきたときの対処法
緊急車が近づいてきた場合、車両は次の2つの義務が課されています。(道路交通法第40条第1項第2項、第41条の2第1項第2項)
- 交差点内で停止しないこと
- 道路の左側(一方通行では右側も可)で一時停止すること
このどちらかに反すると緊急車等妨害となってしまいます。
交差点は、緊急車が右折・左折する場合に邪魔なので当たり前と言えば当たり前のことと言えます。道路の左側に寄って一時停止するのは、緊急車が道路の中央を走行するためです。
しかし、避けようとしたために事故を起こしてしまっては元も子もありませんから、決して無理をしないで、自分の運転技術でできる範囲で協力することが大切です。
参考条文
道路交通法第40条(緊急自動車の優先)
第1項
交差点又はその附近において、緊急自動車が接近してきたときは、路面電車は交差点を避けて、車両(緊急自動車を除く。以下この条において同じ。)は交差点を避け、かつ、道路の左側(一方通行となつている道路においてその左側に寄ることが緊急自動車の通行を妨げることとなる場合にあつては、道路の右側。次項において同じ。)に寄つて一時停止しなければならない。
第2項
前項以外の場所において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は、道路の左側に寄つて、これに進路を譲らなければならない。
第41条の2(消防用車両の優先等)
第1項
交差点又はその付近において、消防用車両(消防用自動車以外の消防の用に供する車両で、消防用務のため、政令で定めるところにより、運転中のものをいう。以下この条において同じ。)が接近してきたときは、車両等(車両にあつては、緊急自動車及び消防用車両を除く。)は、交差点を避けて一時停止しなければならない。
第2項
前項以外の場所において、消防用車両が接近してきたときは、車両(緊急自動車及び消防用車両を除く。)は、当該消防用車両の通行を妨げてはならない。