自動車には左ハンドルと右ハンドルがありますが、ご存知の通り日本では右ハンドルが基本となっています。
しかし、ハンドル位置に特に法律や規制があるわけではないので、左ハンドルの自動車を見かけることは珍しくありません。
しかし最近ではベンツやBMW、アウディなどの外車でも右ハンドルの自動車が増えてきました。
これからの日本での左ハンドルはどうなっていくのでしょうか。減った理由と併せて考えてみたいと思います。
※当サイトでは、なるべく客観的に事実を伝えることを旨としていますが、この記事は管理人の個人的意見によるところが大きいですのでご注意ください。
目次
左ハンドルが減少している理由
左ハンドルが減少している理由はいくつか考えられます。管理人の個人的見解ですが次の4つの理由が考えられるのではないでしょうか。
左ハンドルは危険という意識が高まった
1つ目は、日本の左側通行に合わせた右ハンドル仕様の外車が増えたことです。ひと昔前までは外車自体が珍しく、今ほど輸入台数も多くありませんでしたから、メーカーがわざわざ右ハンドル仕様を出すことが多くありませんでした。
しかし、最近では海外メーカーも日本での販売に力を入れており、日本人に馴染みのある右ハンドル仕様を積極的に出すようになっています。車種によっては右ハンドルしかない自動車もあるくらいです。
右ハンドルか左ハンドルを選べるのであれば、それまで乗り慣れた方を選ぶでしょうが、やはり右ハンドルの方が選ばれやすいでしょう。これが1つ目の理由だと思います。
左ハンドルに対するブランド意識が低下した
2つ目は、左ハンドルに対するブランド意識の低下です。ひと昔前までは、外車というだけで高級車というイメージが強くありました。つまり、高級車=外車=左ハンドルという式が成り立っており、左ハンドルに対するブランド意識も高かったように思います。
今でも少し上の世代では、ベンツで右ハンドルはカッコ悪いという意識を持っている人も多くいます。しかし、比較的若い世代の方は、昔ほどベンツやBMWにブランド意識を強く持っておらず、左ハンドルにブランド価値を感じない人が増えてきています。
右ハンドルの外車が増えた
3つ目は、左ハンドルは不便ということがあります。日本は左側通行右ハンドルの国ですから、基本的な設備は右ハンドルを前提に作られています。有料道路の料金所やドライブスルーを利用する場合はかなり不便です。
左ハンドルは不便
4つ目は、ネットを中心に「左ハンドルは危険」という意識が高まったことではないでしょうか。左ハンドルは安全性で問題があるとの見解は、右ハンドル仕様の外車の増加に伴って増えてきました。2018年現在ネットでは「左ハンドルは危険」という見解がかなり支持されている印象を受けます。
以上をまとめて考えると、左ハンドル=高級車という概念は古臭く、右ハンドルも選べるのにわざわざ不便で危険な左ハンドル車に乗る必要などない、というのが現代での一般的な認識のように感じられます。
おそらく今後も左ハンドル車は減っていくのではないかと思います。
左ハンドルは本当に危険?
以上の3つ目までの理由は概ね正しいと考えられます。しかし、左ハンドルが危険というのは本当でしょうか。
左ハンドルが危険だという話はよくみかけますが、「本当にそれって危険なの?」と思ってしまう話が多くあります。
例えば、右折の際に対向右折車がいると対向直進車が見えにくい、という意見があります。
対向右折車がいると対向直進車の動きが見えにくくなります。見える範囲は対向車線に近い右ハンドルより遠い左ハンドルの方が見えにくくなります。だから左ハンドルは危険だという意見です。
しかし、見えないのなら動かなければいいだけです。というより、見えないのに動くと前方不注視で安全運転義務違反となってしまいます。危険なのは左ハンドル車ではなく、前が安全かどうか確認もしないのに右折するドライバー自身でしょう。
しばらく待っていれば、対抗右折車はいなくなるか、そうでなくても必ず信号が変わりますから、対向直進車が停止してから右折すればいいのです。
結局、左ハンドルは「危険」なのではなく、時と場合によって「不便」なことがある、というだけだけと言えそうです。
左ハンドルの事故率は不明
そもそも左ハンドルの方が危険であるという明確な証拠は存在しません。なぜなら、警察庁がハンドルの位置ごとの事故率データを公表していないためです。そもそも、事故車のハンドルの左右をいちいち記録しているかどうかも不明です。
左ハンドルの方が危険だという意見は憶測に過ぎないということができます。
また、毎年内閣府が交通安全白書を公表していますが、その中にハンドル位置に関して言及したものもありません。
つまり、警察も内閣府もハンドルの左右が交通事故を左右するとは現状では考えていないということになろうかと思います。
結局のところ、交通事故を起こすのはハンドルの位置ではなく、ドライバー自身の行動次第であり、右ハンドルであろうと左ハンドルであろうと、関係なく十分注意して運転することが必要と言うことになろうかと思います。
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