横断歩道のない場所では、歩行者は横断歩道を渡る場合と比較して注意義務が大きくなります。そのため、事故が起こった場合の過失割合も大きくなる傾向にあります。
ただし、そうだとしても自動車側に前方注視義務が課せられている以上、過失割合は自動車側が大きくなっています。
目次
1.横断歩道から離れた場所で横断した場合
自動車:人=70:30
横断歩道が少し離れた場所にあるのに、その横断歩道を使わずに道路を横断した場合、歩行者の責任が重くなります。しかし、前方不注視の自動車の方も悪いのでこのような結果となっています。
歩行者が急に飛び出してきた場合はさらに歩行者の過失割合が10%加算されます。
横断歩道のすぐそばを横断する場合は信号機のある横断歩道直近での事故の過失割合を参照してください。
2.横断歩道のない交差点で、歩行者が幹線道路を横断した場合
自動車:人=80:20
歩行者は、横断歩道のない交差点を横断する場合は、横断歩道がある場合と比べて注意して横断しなければなりません。さらに歩行者が横断していたのは幹線道路であるため、さらに大きな注意義務が課されます。
これに対して自動車は横断歩道のない交差点でも、自動車は歩行者が横断する可能性に配慮する必要があり、それを怠ったことにより事故が起こった場合大きな過失割合を負担することになります。
なお、交差点から10m程度までの距離を横断していた場合は、このケースと同じ扱いとなります。
3.横断歩道のない交差点で、歩行者が狭い道路を横断した場合
自動車:人=90:10
ケース2の場合と比べて、道が狭い分歩行者の注意義務は軽減されています。これに対して、自動車は狭い道路を交通する場合は徐行して運転しなければならないとされています。そのため、事故の責任は重くなっており、過失割合も10%加算されています。
4.横断歩道・交差点以外の場所で歩行者が横断した場合
自動車:人=80:20
自動車の運転者は、歩行者が道路を横断してこないか常に注意して運転する必要があります。これに対して、歩行者は横断歩道ではない場所では自動車に十分注意して歩行する必要があります。このため、ほとんどの過失割合は自動車が負担しますが、歩行者も過失割合を負担することになります。
基本的にケース2の考え方と同じです。