過失相殺の認定要素

現在の日本の交通事故に関する過失割合は、東京地方裁判所民事第27部(交通部)の裁判官が作成した「過失相殺等認定基準」が一般的な基準として採用されています。この基準が策定されることで、裁判となった場合の見通しがある程度立つようになり、交通裁判の件数が減少しました。

「過失相殺等認定基準」では、大きく分けて事故の当事者、事故現場の状況、事故の態様によって過失割合算定の基準を設定しています。

事故の当事者

過失割合が問題となるのは必ず相手方のある事故ですから、それぞれの当事者がどのような関係であるのかが非常伊重要な要素となっています。具体的には、車対人、バイク対人、車対車、車対バイク、車対自転車等があり、それぞれの場合で過失割合が異なってきます。

当然ですが、物理的に強い立場にある方が責任は重く、過失割合も大きくなる傾向にあります。

事故現場の状況

事故が発生したときの現場の状況も過失割合に加味されます。具体的には信号の有無や赤だったのか黄色だったのか、交差点の場合は道路の優先関係、事故の発生時間帯が昼だったのか夜間だったのか、といった様々な状況が考慮されます。

事故の態様

事故が発生したときの当事者がどのような動きをしていたのかも重要な要素です。当事者が歩行者であれば、幼児、児童、高齢者、身体障碍者なのかという属性や、どのような場所を歩行していたのか、歩道を歩いていたのか、それとも車道を走っていたのか、横断歩道を渡るところだったのか、等が判断要素となります。

車であれば、どのような走行だったのか、速度はどのくらいか、直進か右左折か、Uターンか、等が判断要素となります。

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