同乗者に対する責任と過失相殺

バスやタクシーでの交通事故で乗客が負傷した場合は、安全に目的地まで乗客を輸送する義務を怠ったのですから、バス・タクシー会社は乗客に対して思い責任を負います。これに対して、好意で同乗させてもらっていた人が事故に巻き込まれてしまった場合(これを好意同乗と言います)は、バスやタクシーの場合と比べて責任を軽減すべきであるというのが一般的な感覚です。

好意同乗者に対しても原則として全責任を負う

実務でも一般的な感覚の通り、長い間好意同乗者に対する責任は減額されるという考え方も根強くありました。しかし、現在の実務では、原則として好意同乗者に対する責任は減免されず、その同乗者に何らかの責任が認められる場合のみ減額される、というのが原則となっています。

つまり、たまたま隣人が同じ方向に向かうとか、会社の帰りに同僚を近くの駅まで送るといったような場合に発生した交通事故では、運転者は全ての責任を負うということになります。

好意同乗の態様によっては責任が減免される

好意同乗の態様を類型化すると、次のように分類されます。

  1. 単なる便乗・同乗
  2. 危険を承知した上での同乗
  3. 同乗者が危険に関与した場合や増幅した場合
  4. 運行供用者として同乗した場合

類型1は、上記で記載した典型的な好意同乗です。この場合責任は減免されません。

類型2は、無免許運転や飲酒運転であることを知りながら同乗した場合です。この場合は自分が事故により死傷するリスクを考慮していますので、過失相殺の対象となります。ただし、無免許運転・飲酒運転であることを知らなかった場合には減免されません。

類型3は、類型2とよく似ていますが、積極的に危険に関与した場合を言います。具体的には飲酒運転や無免許運転をするようそそのかした場合、運転前に共に飲酒していた場合等があります。この場合は類型2と比べて責任が重いため、過失割合の負担も大きくなる傾向があります。

類型4は、運行供用者としての同乗です。この場合同乗者は運行を支配し管理する立場にありますから、過失相殺されます。

共同不法行為による好意同乗者への責任

交通事故は単独事故もありますが、多くの場合相手方のある事故です。この場合好意同乗者からしてみれば、自分が乗っていた車の運転者と相手方の車等の運転者の両方が加害者ということになり、共同不法行為の関係となります。

この場合、民法第719条の規定により、加害者であるそれぞれの運転者は好意同乗者に対して連帯責任を負います。

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