交通違反を犯すとその違反の程度によって、青キップまたは赤キップが切られます。よく青キップは犯罪ではないが、赤キップは犯罪なので、重く受け止めるべきだとの言い方がされますが、青キップだからと言って犯罪にならないわけではありません。その意味ではこのような論調は的外れと言えます。(赤キップを軽視しているわけではありません。)
青キップ(反則金制度)の趣旨
そもそも、青キップが何のために存在する制度なのでしょうか。青キップという制度は、加害者側の事情はあまり関係なく、むしろ行政側の事情によるものです。
かつては、青キップ赤キップの区別はなく、全て通常の犯罪と同じ扱いがなされてきました。しかし、高度な車社会に突入し、交通犯罪が増加すると同時に、警察や検察、裁判所の負担が増大していきました。刑事裁判は必ず裁判を行わなければならないためです。そこで、本来ならば犯罪として処理すべきであるところを違反の程度が軽微である場合は、青キップを送付し、反則金を納付することで免除できる制度を創設し、これによって 警察・検察の負担が軽減されました。
最悪刑務所行きも・・・
青キップは反則金を支払えば、刑罰が免除されるというものです。支払いは任意ですから、反則金を支払わず裁判手続きに進むこともできます。もっとも、この場合でも必ず裁判となるわけではなく、不起訴となる場合もあります。しかし、不起訴になるからと言って難解も納付を拒否していると起訴される可能性が高くなってきます。
交通裁判に限らず、日本の刑事事件では起訴されるとほぼ確実に有罪判決が下されます。その際の罰金も、違反内容にもよりますが数十万円という高額となる場合もあります。罰金が納付できないと、定期的に何度も督促状が届くようになります。それを無視し続けていると、今度は呼出状が届きます。要するに、罰金の代わりに強制労働をさせるから刑務所(あるいは拘置所)まで来なさいということです。労働の内容は軽労働と呼ばれる内職作業です。1日5000円で、罰金の金額になるまで拘束されることになります。
青キップで呼出状まで行くのは稀なケースですが理屈上はあり得る話です。