運転免許には、普通、中型、大型等車両の重量や積載量によっていくつかの区分がなされています。それらの免許を正しく取得して運転しないと無免許運転となってしまいます。
その他に無免許運転とよく似ていて違う違反に大型自動車等無資格違反があります。ここでは大型自動車等無資格運転がどのような違反かを紹介します。
刑罰と違反点数
大型自動車等無資格運転は交通反則通告制度の対象となっておらず、違反するといきなり刑罰が科される赤キップの違反です。違反点数も12点と高いですから、一発免停となります。
違反名称 | 刑罰 | 違反点数 |
---|---|---|
大型自動車等無資格運転 | 懲役6ヶ月以下又は罰金10万円以下 | 12点 |
大型自動車等無資格運転の内容
大型自動車等無資格運転とは、免許は持っているが、その車を運転するための、免許以外の条件を満たしていない人が運転することです。
どのような行為が大型自動車無資格運転になるのかは、道路交通法第85条第5項から第9項までに定められています。それによると次のような行為が違反となります。
- 大型免許を取得しているが、21歳未満なのに大型自動車を運転した場合
- 大型免許を取得しているが、免許停止期間を除いた4輪の運転免許取得期間が3年未満で大型自動車を運転した場合
- 中型免許を取得しているが、21歳未満なのに中型自動車を運転した場合
- 中型免許を取得しているが、免許停止期間を除いた4輪の運転免許取得期間が3年未満で中型自動車を運転した場合
- 普通免許を取得しているが、免許停止期間を除いた4輪の運転免許取得期間が2年未満で普通自動車を運転した場合
- 大型二輪免許を取得しているが、免停停止期間を除いて二輪免許の取得期間が2年未満なのに大型二輪を運転した場合
無免許運転との違い
無免許運転は、運転するための免許そのものを持っていない場合に成立します。例えば、中型免許しか持っていないのに大型自動車を運転する場合です。これに対して、大型自動車等無資格運転は、大型免許自体は持っているけど運転経験が3年未満で大型自動車を運転することを言います。
免許条件違反との違い
一方免許条件違反という違反もありますが、こちらは免許証の「免許の条件」欄に書かれた条件に違反することです。眼鏡等と書かれているのに眼鏡やコンタクトレンズをつけずに運転したとかAT限定なのにMT車を運転した場合等です。
紛らわしいですが、中型8トン限定で中型の8トン超を運転した場合は大型自動車等無資格運転ではなく免許条件違反となります。免許条件欄に「8t限定に限る」との記載があるためです。
参考条文
道路交通法第85条(第一種免許)
次の表の上欄に掲げる自動車等を運転しようとする者は、当該自動車等の種類に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる第一種免許を受けなければならない。
第5項
大型免許を受けた者で、二十一歳に満たないもの又は大型免許、中型免許、普通免許若しくは大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める大型自動車又は中型自動車を運転することはできない。
第6項
中型免許を受けた者(大型免許を現に受けている者を除く。)で、二十一歳に満たないもの又は大型免許、中型免許、普通免許若しくは大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して三年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める中型自動車を運転することはできない。
第7項
普通免許を受けた者で、大型免許、中型免許、普通免許又は大型特殊免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める普通自動車を運転することはできない。
第8項
大型二輪免許を受けた者で、大型二輪免許又は普通二輪免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める大型自動二輪車又は普通自動二輪車を運転することはできない。
第9項
普通二輪免許を受けた者(大型二輪免許を現に受けている者を除く。)で、大型二輪免許又は普通二輪免許のいずれかを受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して二年に達しないものは、第二項の規定にかかわらず、政令で定める普通自動二輪車を運転することはできない。