警察庁の統計によると日本人の約75%が運転免許を保有しており、日本人の4人に3人が自動車の運転をしているということになります。
運転は誰でもすることなので、当たり前のことのように感じてしまいますが、使い方を誤れば他人を殺してしまう凶器にもなってしまいます。
ドライバーが負う3つの責任
もし交通事故を起こしてしまったら、行政上の責任、刑事上の責任、民事上の責任の3つの責任を負わなければなりません。
行政上の責任:自動車運転免許の停止や取消
刑事上の責任:過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪等の刑罰
民事上の責任:民法不法行為に基づく損害賠償義務
被害者救済の責任
3つの責任のうち、行政上の責任と刑事上の責任は、事故を起こしてしまった加害者自身の制裁的な責任です。
これに対して民事上の責任は、事故被害者を救済する責任であり、他人に対する義務であると言えます。
しかし、自動車事故による損害賠償額は数千万円となるのが当たり前で、1億円を超えることも珍しくありません。このような高額の賠償金を支払うことができるのはほんの一部の富裕層だけでしょう。
このような場合に、責任を全うするためにあるのが任意保険(対人・対物賠償責任保険)です。任意保険に加入していなければ、ほとんどの場合交通事故被害者は十分な救済を受けられません。
生命保険や火災保険は自分の生活を保障するために加入するものです。任意保険にも、もちろんそのような一面はありますが、それ以上に被害者を救済し社会的責任を全うするためのものであることを覚えておいてください。この意味で、火災保険や生命保険より重要な保険であると言うことができます。