自動車保険の任意保険や火災保険など、損害保険の保険期間を見てみると不思議なことに気が付きます。損害保険期間は通常午後4時から翌年同日の午後4時までとなっています。
なぜ損害保険だけ午後4時なのか
普通1年間の契約だと「平成○年4月1日~平成○年3月31日」と翌年の前日が終期となっています。これに対して損害保険契約の場合は「平成○年4月1日午後4時~平成○年4月1日午後4時」と翌年同日の午後4時が終期となっています。
なぜ損害保険だけ同じ日の午後4時が基準となっているのでしょうか。
これは保険業界の古い慣習によるものだそうです。昔は保険会社の営業は午後4時で終了していました。この営業時間の終了時に保険の始期・終期を合わせたと言われています。
これは私が損保代理店勤務時代に年配の社員から聞いた話です。しかし、なぜ営業時間に合わせる必要があったのかまではよくわかりませんでした。
事故の受付ができなくなるからだ、との意見もありますが、保険期間とは事故を補償する期間であって事故の通知をする期間ではありませんから、その説明には疑問があります。例えば、保険期間の最後の日の午後3時半に事故に遭ったのであれば、その翌日に保険会社に連絡したとしても補償を受けることはできるわけです。
保険始期の時間は指定可能
現在でもその慣習が残っているため、特に何も言わずに契約した場合は午後4時基準がデフォルトとなっています。しかし、加入者の方から希望すれば、指定した時間で加入することもできます。
例えば購入した新車の納車が午前11時であれば、午前11時を始期としたいという加入者もいます。
もっとも、大抵の加入者はそこまで細かく考えることがありませんので、デフォルトの午後4時で契約されるのが大半です。
任意共済から任意保険への切り替えの際に注意
午後4時が保険始期・終期の基準となっていても、基本的に加入者が気にする必要はありません。
しかし1つだけ注意しなければならない場合があります。それは、任意共済から任意保険に切り替える場合です。
任意共済では保険始期・終期が午前0時となっています。そのため、任意共済から任意保険に切り替える場合、保険開始日を共済終了日の翌日に設定してしまうと、当日午前0時から午後4時までの16時間自動車が無保険状態になってしまいます。
それを避けるためには、上記で書いたように保険始期の時間を午前0時に変更する必要があります。代理店型で契約する場合は、代理店が共済からの切り替えだと認識していれば気を効かせて切り替えてくれる可能性がありますが、ダイレクト型では自分で変更する必要がありますので注意してください。