自動車は利用する人にとっては便利な乗物ですが、できるだけ周囲に迷惑をかけないように配慮する必要があります。そのため、エンジン音などの騒音はできるだけ立てないように走行しなければなりません。
騒音運転等・消音器不備の趣旨と違反内容
騒音が大きいとそのドライバーやその周辺を走行するドライバーが音での危険の察知が難しくなり危険です。そのため道路交通法では、必要以上の騒音を起こすことを禁止しています。
騒音に関する違反には、騒音運転等と消音機不備があります。それぞれ交通反則通告制度の対象となる青切符の違反で、反則金は6,000円、違反点数は2点となっています。
違反内容 | 反則金 | 違反点数 |
---|---|---|
騒音運転等 | 6,000円 | 2点 |
消音機不備 | 6,000円 | 2点 |
※反則金は普通車・二輪車の場合です。
騒音運転等
騒音運転等とは、他人に迷惑となるような大音量の騒音を立てて自動車を運転することです。下記の消音機不備もそうですが、この規定は暴走族対策として作られた規定ですので、普段運転していて気にすることはほとんどないでしょう。
普通の車で急発進・急加速をしても、改造車でなければ著しく他人に迷惑を及ぼすような騒音を生じさせることはないと考えられます。エンジン音の大きいポルシェやフェラーリといったスポーツカ―でも、日本の法定基準をクリアしたものが販売されていますから、おそらく騒音運転等には該当しないと考えられます。(並行輸入車はわかりません。)
もっとも、急加速・急発進は安全運転義務違反となる可能性が高いですので注意してください。
消音器不備
こちらの規定も、暴走族対策の規定ですので、普通の人は気にする必要はありません。市販車には必ず消音機が搭載されていますので、わざわざ消音機を外したり、マフラーを取り付けるような改造をしない限り問題ありません。
大音量で音楽を流す車
たまに、外にいる歩行者にも聞こえるほどの大音量で音楽を流しながら走行する車がいます。外に音が漏れるほどの大音量だと、周囲の車のクラクション等が聞こえず危険です。
このような行為は騒音運転等に該当しそうにも思えますが、騒音運転等は急発進・急ブレーキ・空ぶかしをした場合の違反ですから、これには該当しません。しかし、周囲の音が聞こえないと危険という理由で安全運転義務違反となる可能性があります。
また、都道府県によっては、周囲の音が聞き取れないような環境で運転していると判断された場合には違反となるとの条例を定めている場合があります。
参考条文
道路交通法第71条
車両等の運転者は、次に掲げる事項を守らなければならない。
第5号の3
正当な理由がないのに、著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる騒音を生じさせるような方法で、自動車若しくは原動機付自転車を急に発進させ、若しくはその速度を急激に増加させ、又は自動車若しくは原動機付自転車の原動機の動力を車輪に伝達させないで原動機の回転数を増加させないこと。
第72条の2
自動車又は原動機付自転車(これらのうち内閣府令で定めるものを除く。以下この条において同じ。)の運転者は、道路運送車両法第四十一条第十一号 又は第四十四条第八号 に規定する消音器を備えていない自動車又は原動機付自転車(当該消音器を切断したものその他の消音器の機能に著しい支障を及ぼす改造等で内閣府令で定めるものを加えた当該消音器を備えている自動車又は原動機付自転車を含む。)を運転してはならない。