自動車は、速いスピードで走行する危険な乗物ですから、周囲を走行する自動車に配慮した走行が必要となります。ここでは、進路変更に関する違反行為の内容と罰則、違反点数を紹介します。
進路変更に関する違反には「進路変更禁止違反」と「割込み等」があります。どちらも違反点数は1点で交通反則通告制度の対象となっており、反則金額は普通車の場合6,000円となっています。
違反名称 | 違反点数 | 反則金 |
---|---|---|
進路変更禁止違反 | 1点 | 6,000円 |
割込み等 | 1点 | 6,000円 |
※反則金の金額は、普通車の場合の金額です。
進路変更禁止違反
進路変更等禁止違反は、道路交通法第26条の2第2項と第3項に違反することを言います。具体的には次の行為が違反の対象となります。
- 進路変更によって、変更後の進路の後続車両の進行を妨害する恐れがある場合
- 進路変更禁止標示がある場合(道路の損壊・工事等で通行不能な場合を除く)
なお、進路変更=車線変更と思ってしまいがちですが、厳密には異なります。進路変更とは車線を変更していなくても、車線内の左寄りを走っていたのを右寄りに変更することも含まれます。
例えば、幅の広い対向2車線の道路で、路肩に停車車両があり、それを避けるため道路中央寄りに移動することも進路変更となります。
もっとも最近では、必要以上に道路が広い場合は路側帯や導流帯の標示によって、車線変更でない進路変更というシチュエーション自体が少なくなってきています。
割込み等
割込み等とは、信号や渋滞等で先行車が停止・徐行している場合に、その脇をすり抜けて先行車の前に割り込んだり、先行車の前を横切ることを言います。(道路交通法第32条)
割込み等は特にバイクに多い違反で危険な行為ですが、そもそも違反であることを知らない人も多いようです。
また、高速道路で渋滞しているときに路側帯を走行する悪質なドライバーもいますが、この場合は割込みに加えて通行区分違反という交通違反にも該当します。通行区分違反は反則金9,000円、違反点数2点となっています。
参考条文
道路交通法第26条の2(進路の変更の禁止)
第1項
車両は、みだりにその進路を変更してはならない。
第2項
車両は、進路を変更した場合にその変更した後の進路と同一の進路を後方から進行してくる車両等の速度又は方向を急に変更させることとなるおそれがあるときは、進路を変更してはならない。
第3項
車両は、車両通行帯を通行している場合において、その車両通行帯が当該車両通行帯を通行している車両の進路の変更の禁止を表示する道路標示によつて区画されているときは、次に掲げる場合を除き、その道路標示をこえて進路を変更してはならない。
第1号
第四十条の規定により道路の左側若しくは右側に寄るとき、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のためその通行している車両通行帯を通行することができないとき。
第2号
第四十条の規定に従うため、又は道路の損壊、道路工事その他の障害のため、通行することができなかつた車両通行帯を通行の区分に関する規定に従つて通行しようとするとき。
第32条(割込み等の禁止)
車両は、法令の規定若しくは警察官の命令により、又は危険を防止するため、停止し、若しくは停止しようとして徐行している車両等又はこれらに続いて停止し、若しくは徐行している車両等に追いついたときは、その前方にある車両等の側方を通過して当該車両等の前方に割り込み、又はその前方を横切つてはならない。